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【終了しました】《2020年10月24日》「IT」からの自由/自由人博覧会 関治之さん(コード・フォー・ジャパン代表)

 

■ゲスト:関 治之(せき はるゆき)(一般社団法人コード・フォー・ジャパン代表理事、株式会社HackCamp代表取締役社長)
1975年生まれ。20歳よりSEとしてシステム開発に従事。2011年3月、東日本大震災発生のわずか4時間後に震災情報収集サイト「sinsai.info」を立ち上げる。被災地での情報ボランティア活動をきっかけに、2013年10月に一般社団法人コード・フォー・ジャパンを設立。神戸市 チーフ・イノベーション・オフィサー、総務省 地域情報化アドバイザー、東京都 デジタルトランスフォーメーションフェローなども務める。

 


  たぶん、私たちは、インターネットを、信じているのだ。

【日本のオードリー・タン。SFとパンクのエンジニア。】

いま“日本のオードリー・タン(※1)”と言われる、関治之さん。 東京生まれの東京育ち。とくに貧乏でも金持ちでもなかった。 ぼんやり、のんびり、育った……かもしれない。やりたいことも、なかった。将来の夢は、会社員。
「自分には特別なものがないこと」は、一時期、「逆コンプレックス」だった気がする。

・小学校時代、小説を読むのは好きだった、とくにSF。わけても、アシモフや星新一など古典やオリジナル。
・中学校時代、父にPCを買い与えられた。「つくる」喜びを知った。「何度も失敗するけど、やり直しも簡単にきく」エンジニアリングの世界を知った。
・高校時代、パンクにはまった。とくに、Nirvana。「あ、こんな下手くそでいいんだ」衝撃だった。でも、聴けば聴くほど、すげえ。バンド活動にのめりこんだ……大学受験も忘れるほどに。
・滑り込んだ大学時代、エンジニアとしてアルバイトをしていたら、そちらが忙しくなったので、大学を辞めた。

そして、関治之の人生に、インターネットがやってくる。 エンジニアをしていた2000年頃から、本格的に、諸外国を含めたオープンソース開発プロジェクト(※2)にコミットしはじめた。インターネットに国境はない。

顔を見たこともない全世界にひろがる有志たちの試行錯誤で、大手企業が何千万円かかって開発して偉そうに売っているのと同じようなものが、まるでおもちゃを作るような楽しさのなかで、どんどんつくられていく。
見てみろ!ぼくたちは、つくることができる。
それはちょうど、SFみたいで、パンクみたいだった……のかもしれない。  


【それは、権力でなく自由。争いでなく平和。】


そんな関さんと私には、共通点がある。モトヤフ(※Yahoo! JAPAN元社員)ということ。 というのは半分冗談で、半分本気。そのせいかもしれないけど、私たちは、たぶん、インターネットを深く信じている。

1996年4月、私は、日本でヤフー・ジャパンが立ち上がる現場にいた(カウントダウンしたなあ)。その頃にはとっくにピーガラガラな通信(※3)をしていた関さんもまた、その後オープンソースのプロジェクトにかかわるという王道を経ながら、日本のインターネット界隈のフロントを歩み続けている。

そんな私たちが血肉化してしまったインターネットの本質。それは、「自律・分散・協調」だ。
これまでの中央集権型とはまったく違う、自律分散型の社会。それは、権力でなくて自由。
これまでの競争型とはまったく違う、協調型。それは、争いでなくて平和。

中央集権的なものは、もういいんじゃない?誰かに言われたことに従って、わけわかんないことをやらされるのって、もうよくね?みんなさ、好きなことやりゃいいじゃん。人間がより幸せになる、新しい時代が始まったんだぜ!

20世紀末の日本にあった、あの高揚感、期待感。そして、実際に社会が大きく大きく変わっていくかんじ。そんなインターネットの可能性を、私たちは、まだまだ信じている。  


【東日本大震災、新型コロナウイルス感染症。市民が力を合わせる場をつくる。】

関さんは、東日本大震災を機に、日本でのオープンソースコミュニティづくりに立ち上がる。最初に手掛けたのは、被災地周辺の情報を収集して公開するプラットフォーム「sinsai.info」。未曽有の事態に情報が錯綜し、あらゆる現場が混乱するなかで、大きな話題を集めた。

その経験から、エンジニアがテクノロジーの力で地域課題を解決する市民参加型コミュニティ「Code for Japan」を立ち上げる。まさに自律・分散。なので、いまや全国に、その地域の名を関した「Code for ××」がある。

最近では、新型コロナウィルスという現場に直面するや、こちらもモトヤフの宮坂東京副知事とタッグを組んで「東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト」を立ち上げた。このサイトは、どの地域でも、有志がいれば、コピーして自分の地元バージョンを立ち上げることができる。今回は全国で、有志の中学生・高校生・高専生・大学生たちも立ち上がり、それぞれチームの中心となって、地域へ大きく貢献した。

関さんは、かつて自分が喜びと勇気と希望をもらった「オープンソース」を、日本中の地域に届け続けている。あらゆるところの人々に、「素材」と「やり方」を、「力」を提供する。なんで?だって、楽しいから。自分たちで、自分たちの人生を、くらしを、まちを、つくりあげていくことが。偉そうな奴らの言うこと、がまんしてきいてて、楽しい?  


【消費者に甘んじているだけでは、幸福度は上がらない】

いま、イヤーな気配がしているのは、「スマートシティ」という言葉。ドローン活用、自動運転、遠隔医療、まるでドラえもんの世界が実現する!なんて便利な世の中に!!
オケオケ、たしかに nice to have、あってもいいんじゃない?
でもそこに、幸せはある??

エンジニアは知っている。消費者に甘んじているだけでは、幸福度は上がらないことを。
なぜなら消費者というのは、構造的にスポイルされるから。

まずは、自分たちのまちを、自分たちがどうしたいか、だ。歴史を振り返ってみたら、こういう文化がある。じゃあ自分たちはどういう役割を担っているから、そこからどういう未来をつくっていきたいよね。そういう、本当に大事なことを無視して「便利なまち」をつくったって、日本中が同じまちになってしまうだけだ。
ね、それって、幸せ? ね、そんなとこに、住みたい? ね、あなたは、楽しい?

いまやIT界のカリスマとなった関治之だが、誰よりも関さんが「カリスマ」を否定する。
個人に依存するのは、市民のリテラシー向上の妨げとなるから。多様性のなかで、誰もが「自分が楽しいと思うこと、幸せになること」をどんどんやっていく、主体的なクリエイターになるのが、関さんの夢。それはもう、SFではない時代になった。

これからのインターネットの可能性、何よりインターネットと共に生きる私たちの可能性を、関さんに伺います。withコロナの、いまだから、こそ。

※1オードリー・タン:「天才プログラマとして知られる、台湾のデジタル担当大臣。
※2オープンソース:著作権フリーで、みんなでつくりあげるプログラム。イメージでいうと、wikipediaのようなかんじ。
※3ピーガラガラ:昔、電話回線と同じアナログ回線というものでネット接続していた時の音。たしか平日23時以降と土日祝日が接続し放題になったので、23時には全国のネットユーザーがピーガラガラやっていた。  

▼ホスト・湯川カナが語る、関治之さん。そして、博覧会のこと。

■ホスト:湯川カナ(ゆかわ・かな)(一般社団法人リベルタ学舎代表、なりわいカンパニー株式会社代表、兵庫県広報官)
早稲田大学在学中、孫泰蔵氏(現シリアルアントレプレナー)の学生起業に参加した縁で、Yahoo! JAPAN創設メンバーとなる。数億円分のストックオプション権を返上し、言葉もわからないスペインへ移住。10年間、「ほぼ日刊イトイ新聞」をはじめフリーライターとして活動する。帰国後は、縁もゆかりもない神戸で、女性や若者の社会参画を推進する学びの場「リベルタ学舎」を設立。地元企業や行政との連携も手がける。2020年5月、地域の事業づくりコミュニティ「なりわいカンパニー」設立。2018年4月より兵庫県広報官。「自分の幸せを実現しながら、みんなの幸せも実現する」新しい個と公共の在り方を考え、実践し続ける。著書4冊。

 


  ▼自由人博覧会、どんなイベント?

スペイン語の「自由(libertad)」は、「解放された状態」という意味。
素敵なひとは、何かから解放されて、すごく空高く翔けているように見える。

いったい、何から解放されているのだろう? すごく話を聞いてみたい。だって私が、もっと自由に生きたいから。 それぞれ、湯川が圧倒的に憧れる博物館級(!?)のひとたちにお話を伺う。 せっかくだから、その「生」そのものに、たくさんのひとに接してもらう。 それが、リベルタ学舎の「自由人博覧会」です。

自由人博覧会について、もっと詳しく知りたい方はこちら:湯川カナ、自由人博覧会を語る。
 
 
▼開催概要
 
<日時>

2020年10月24日(土) 15:00~17:00 (※おやつタイムにつき、お酒やお茶などを楽しみながらやりましょう)
<参加費> 1,650円(税込み)
<お申し込み>
coubicより:https://coubic.com/lgaku/806939

【早期申込限定動画特典のご案内】
ー当日の予定が未確定の方にもー
 
「当イベントに参加したいけれど、スケジュールが確定しない」という方でも安心してお申し込みいただけるように、動画特典をご用意いたしました。
 
10月10日(土)まで にお申し込みいただいた方限定とさせていただきますので、日程が不安な方は是非それまでにお申し込みください。
 
*イベント終了後に録画動画が視聴できるURLをメールでご案内いたします。
*動画視聴可能期間はイベント終了後2週間です。
*当日参加・不参加に関わらず全ての方対象です。


■お問い合わせ: 一般社団法人リベルタ学舎 info@lgaku.com/ 078-599-9381      

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