2025年度“農業丁稚”オープンデイのご案内

川本まい

川本まい

フォトグラファー/アート・ディレクター

丁稚、4年目の米作りへ

農業に縁がなかった私たちが、「なんか、お米作りたいよね!」と、平安時代から続く神戸市内最大の米農家・小池農園こめハウス代表の小池潤さん(親方)のもとに丁稚として通い始めて、4年目になります。
月2回、熱い親方のもと、高価な大型農機具も運転させてもらいながら、土づくりから田植え、収穫、保管、次年度準備……と年間を通じて米作りを学ばせていただきながら、2022年度約550kg、2023年度約330kg、2024年度440kgと、”神戸米”の収穫をしてきました。
また昨年度は、地球温暖化を見据えて(?)、暑さに強いバスマティライス(インド/パキスタン原産)を祖父にもつプリンセスサリーの栽培にも挑戦。雑草と格闘しながらなんとか60kgの収穫にこぎつけ、ついに2025年度はその種もみから田植えをする準備中です。

増産に向けて、新規丁稚募集

もちろん、まだまだ親方の指導が必要です。ただ、日常的な草刈りや耕耘は、ある程度自分たちでもできるようになりました。そこにきて、この米不足です。米の自給率を上げることをミッションとする親方に頼み込み、私たちも、2026年度から大幅な増産に取り組ませていただこうと思っています。
そこで、新たな丁稚を募集します! 3年間、米作りに毎月通っていた3名(唐津周平・川本まい・大福聡平)が、手代として、丁稚のみなさまに(たぶん)優しく基本の米作りをお教えします(もちろん、平安時代から米作りを続ける家系の親方による、農業基礎レクチャーも、随時受けられます)。
得られるものは、2025年度に自分たちで育てる新米20kgと「米を育てる知見」、そして2026年のお米です(※もちろんうまく収穫できれば)。大型農機具を使いますし、月に2回、夏など汗だくで草刈り機で畦道をきれいにするという楽ではない作業も含めて通年参加が前提となりますので、若干名の募集とさせていただきます。

■ 農業丁稚詳細

日時:月2回(原則第1・第3日曜/9時~昼過ぎくらいまで)
場所:小池農園こめハウス(神戸市西区櫨谷町池谷766)近辺の田んぼ
   ※西神中央駅から徒歩約15分/車可
条件:1年を通じて基本的に全回参加する意思がある方

作業予定内容例:
トラクターの運転/草刈り機による整備/ユンボによるたい肥運搬/水路の掃除・整備/田んぼの水はり/苗床準備/収穫/乾燥/袋詰め/次年度に向けて親方と相談/軽トラの運転(※必要に応じて)
(その他、親方の指示で、米作りに必要なことは何でもします)

★年間を通じた活動の概要は、2023年のレポートをご覧ください

田植え前の田んぼから、どうぞ

とはいえ、イメージが湧きづらいと思いますので、オープンデイを実施することにしました。

6/1 (日):9:00〜トラクターによる耕耘予定
6/11(水):16:00〜神戸米栽培予定”リベル田んぼ”の代掻き
6/15(日):9:00〜大型農機具による神戸米の田植え
6/18(水):16:00〜プリンセスサリー田んぼの代掻き
6/22(日):9:00〜中型農機具によるプリンセスサリー米の田植え

※基本は月2回(原則第1・第3日曜/9時~昼過ぎくらいまで)/天候等による日程変更可能性があります

もし、我こそは米作り丁稚を始めたいという奇特な方がいらっしゃいましたら、ぜひ様子を見に来られてください。手代一同、心よりお待ちしています!ちなみに、リベルタ米はうまいよ!(※オフィスで精米したてのお米をお持ち帰りいただけます)

■ 手代からのコメント

唐津周平(リサーチャー)

(Profile)
人材サービスの企画やコーディネートに企業・NPO・ベトナムなどで携わる。30代からは社会人大学院生として研究も並行。甲南大学非常勤講師。神戸大学経済学研究科研究員。一般社団法人みくもや共同代表。博士(経済学)。


始める前はあまりイメージがなかったのですが、実際には草刈り機、トラクター、コンバイン、軽トラック、肥料を飛ばすためのガンタンクのキャノン砲みたいな筒など農業を営むためには機械が欠かせないことを実感しています。
何が面白いかと聞かれると・・・。まずは、やはり米づくりの「実際」が知れることですかね。米づくりを始めたことで米不足、価格の高騰、耕作放棄地などニュースで見聞きしていることに対する解像度が上がったと思います。断片的な知識ですが、農業という世界が身近になったと思います。あと、シンプルにおいしいお米がたくさん食べられることも最高です!

【丁稚志望のみなさんへ】
櫨谷地域の風景が素敵です。都市と農業の距離が近い神戸らしい場所なので、いつも行くたびに清々しい気持ちになれます。僕たちも2週間1回ペースで小池さんのお世話になっている身分なので、大層なことは言えませんが、お米づくりは面白いです。農業にもっといろんな人がいろんなスタイルで関わることができればいいなぁと思っているので、一緒に新たな関わり方を探していきましょう🌾

川本まい(フォトグラファー/アート・ディレクター)

(Profile)
1991年兵庫県生まれ。甲南大学理工学部在学中から写真館に勤務し、その後、写真学校やギャラリーの運営・講師として6年間活動。企業やカメラ関連のWEB記事執筆を手がけるなど、写真表現に関わる仕事に携わる。現在はフリーランスのアーティスト/フォトグラファーとして、淡路島と神戸を拠点に作品制作を行う


私も最初は、もっと手作業をする「農業体験」のようなものをイメージしていました。でも、実際は本格的に農家さんと同じ機械を使う方法で作業していて、トラクター操縦も行っています、まさか私が!(笑) 最初は運転も緊張しましたが、「どう動かせば無駄なく土を耕せるか」などを考えるのが、だんだん面白くなってきています。
普段より朝が早いので起きるのが辛い時もありますが、平日は撮影やパソコン仕事が中心だからこそ、自然に触れる時間が心の調子を整えてくれるなぁと思ってます。行ったあとは「やっぱり来てよかった」と思えるのが不思議。個人的には家で、暦の日めくりカレンダーを使うようになり、季節ごとに変化する田んぼの様子や、雑草などを観察することも、楽しみのひとつになっています。

【丁稚志望のみなさんへ】
私は会社を辞めてフリーランスになるとき、「農家になる」という選択肢も頭にありました。でも、写真の仕事も続けていきたかったので、たどり着いたのがこの“農業丁稚”という関わり方です。気づけばもう4年目になりました。本業を持ちながらも、自然とのつながりや、自分の暮らし方を見直してみたいと考えている方に参加してもらえたらと思っています!

大福聡平(コンヴィヴィアリティ・コーディネーター)

(Profile)
鹿児島県出身。関西大学外国語学部卒業、関西大学総合情報学研究科修士課程終了。卒業後NPO法人しゃらくに入社。中間支援事業に携わりながら、NPO学生交流拠点神戸ソーシャルキャンパス事業を担当。その後、実践的な学びの場作りをテーマとして、リベルタ学舎に参画。その他、一般社団法人みくもやの運営、関西学院大学での学生プロジェクト支援、NPO法人FiLCでの国際協力事業などに関わる。


「農家さん」って朴訥で寡黙なイメージがありましたが、我らが師匠の小池さんはめちゃくちゃ熱く語る人です。作業の度に、農業の歴史や制度の話、今の日本の課題、第一次産業はこれからどうあるべきか、、、などなどに、農家さんの視点から鋭く切り込みます。聞いているだけで勉強になります。今度はコメ担当大臣の話を聞くのが楽しみです。

青空の下で身体を動かす作業そのものももちろん面白いです。米作りにこんな工程があったのか、と新鮮な驚きも多いです。でもそれ以上に「世界を見る視点が変わること」の面白さを感じます。都市と農村部の関係性を見直したり、生産と消費のボーダーが曖昧になっていく感覚など、米作りに実際に携われたからこそ得られる感覚があると思います。

【丁稚志望のみなさんへ】
農業丁稚を通じて、米作りに限らず、農業の現状や、働き方や生き方そのものについて新たな発見がありました。米を作っているという事実が自分を少し勇気づけてくれるような気もします。やって損は無い農業丁稚(米ももらえるし)、ぜひ仲間になりませんか?

★年間を通じた活動の概要は、2023年のレポートをご覧ください

プロジェクト記事 一覧