中高生による地域課題プロジェクトDAY3開催!
「わたし」目線から始める政策づくり
4回構成のプロジェクトの3回目となる今回は、経済産業省から水口怜斉さんをゲストスピーカーに迎え、そして阪神南エリアの市役所や県の職員の方々をオブザーバーに迎えて開催。
DAY1で語り合い「政治・対話」、「物流」、「学校」、「まちづくり」という4つのチームが編成され、DAY2でチームごとのプレゼンテーションの土台を作ってきた中高生が、様々な大人の視点と出会う機会となりました。
まずは水口さんが経験されてきた政策づくりについてお話を伺います。
複雑化、多様化する現在の日本で政策をデザインする際に「人間中心起点」、「未来志向」、「実験的」、「共創」というポイントを大切にされているというお話に中高生たちも引き込まれていました。
特に、「課題に向き合う際についついテクノロジーなどの手法にフォーカスしがちだけれど、作り手も受けても大切にするHuman Centerdという視点にフォーカスすることの重要性」という点が印象的でした。
対話がもたらす混乱
水口さんのお話の後は各チームに市や県の職員の方々、そして水口さんも入っての対話がスタート。
当初はチームから全体へ向けて、現時点でのプレゼンテーションを行い、質疑応答から始める予定でしたが、実行委員メンバーから「緊張感の高いプレゼンテーションではなく、最初からディスカッション形式にした方が良いのでは」という提案があり、急遽予定変更。
その瞬間の状況でベストな方法を考えていくというのもこのプロジェクトで大切にしていることなのだとリベルタメンバーも再認識。
時間を区切って4ターンし職員さんたちが各テーブルを巡るというテーブルごとの議論は白熱。
途中の休憩時に「あ〜めちゃ良いアイデアや視点をもらって逆に頭が混乱してきた」という発言が聞こえてきた時に対話の重要性が浮かび上がってきていることを感じました。
この「混乱」というのは「ゆらぎ」とも言い換えられるもので、自分たち目線で出発したアイデアが相手も含めた”わたし目線”へと深化していくプロセスではないかと思いました。
若手市長の登場
今回のDAY3には、芦屋市の高島市長も参加してくださいました。
グループでの対話が白熱してきた後半に登場した市長は早速グループのテーブルに加わります。
来られたばかりとは思えない熱量で中高生メンバーの話を聴き、そして問いを投げかけ、自ら実行している政策についても語られていました。
中高生にとっては27歳の高島市長はとても身近なロールモデルでもあり、会場の温度はさらに高まっていきました。
そんなこんなであっという間に終了の時間となり、高島市長から中高生へメッセージをいただきました。
高島市長から「今から今日の議論をふまえて良い話と悪い話をするけど、どっちから聞きたい?」という問いかけがあり、中高生が「じゃあ悪い話から」と応えました。
悪い話というのは高島市長が中高生時代に世の中をより良くしようと様々なアイデアを考えていた時に「これは実現できそうだけど実現できるということは自分が発案者としてその責任を負うという怖さを感じた」という内容でした。何かを実現するというところには責任が伴うという重要な視点です。
良い話というのは「今日ここに兵庫県の方や各市の方々がいる。そして皆さんのアイデアは実現可能性の高いものばかり。そう考えると、県や市の職員、つまり大人たちの経験も掛け合わせることで、より一層実現可能性が高まる場がここにある。」というものでした。
アイデアから実践へ
DAY2の際にゲストの三浦一郎さんからも「アイデアの段階からサイズダウンしても良いから、まずは1周やりきりましょう!」という話を受けていましたが、今回のゲストの水口さんや高島市長からも同じように「アイデアの発表で終わるのではなく、実証実験まで持っていきましょう!」というアドバイスが中高生たちに伝えられました。
そして今回参加してくださった県や市の職員の方々も「これはこんな形で実現できるよ」と現実的な話もいただくことができました。
我々リベルタ学舎も、単なる「中高生によるチャレンジプレゼンテーション」で終えるつもりはなく、彼らがチャレンジを実現するところまでともに居たいと考えています。
そのチャレンジを通して「自分たちが社会を変えていく大切な存在なんだ」ということを感じることができるかどうかは未知ですが、そのような兆しを感じつつ、大人もワクワクしながら次へと進めていきたいと思います!