みんなでお米をつくるプロジェクトー農業丁稚やってます2023

川本まい

川本まい

フォトグラファー/アート・ディレクター

リベルタ学舎がお米を作りはじめて今年で3年目、こちらでは2023年に行った米作りの様子を記録としてレポートします。


リベルタ学舎は「誰もが自分の名前で、誇りをもって生きられる」を実現する学びの場です。そして、実際にそんな仕事をつくる挑戦をする仲間が「なりわいカンパニー」。

よく「好きなことで、食っていけない」と言われます。なるほど、それなら「食っていければ、好きなことができる」! そこで私たちは、自分たちの食を確保するため、お米をつくってみることにしました。

なんせ「なりわい」をつくっていく「仲間(カンパニー)」です。まずは、農というなりわいを教えてもらわねば……と、神戸市内最大規模の米農家・小池農園こめハウスさんに弟子入りしました。春から”農業丁稚”として毎月2回、風の日も炎天下も、様々なメンバーが欠かさず通い続けて、秋。ついにお米が収穫できました。

これが、みんなの「なりわい」にどう活きるのか。それはいまから、考えます。
いま少なくとも実感をもって言えるのは、「精米したてのリベルタ米は、けっこう美味しい」こと。みんな社食で、日によって好きな「分づき」で精米したお米を炊いて、バクバク食べてます。

なんだかわからないけど、楽しそうだし、1人以上が手を挙げるならやってみる。
私たちはそんなかんじで、遊びか暮らしか仕事かわからないことを、とことん真面目に、ゲラゲラ笑いながらやっています。
Libertadとは、スペイン語で「自由」という意味。ご縁あって、これを食べられる方が、何かちょっと自由になればいいな。
そんなことを勝手に願いながら、つくり、パッケージした「リベルタ米」です。よろしければ、楽しんでください。

◆小池農園こめハウスさんについて

農薬・化学肥料を極力減らして育てた、子供からお年寄りまで安心して食べられる体に優しい神戸のブランド米「神戸米」を生産販売されている農家さんです。甲子園球場約10個分に相当する40haという神戸市の中でも広大な耕作面積を活かし、神戸米以外にも、小麦、大豆、蕎麦、野菜、飼料作物などの生産も行われています。

▼2023年お米収穫までのストーリー

3月・4月/田んぼを耕す・草刈り

昨年、使用した田んぼの耕運を行いました。また学生も集まって草刈りが盛んになる前に周辺の竹林を整備し、さらに新しい草刈機を1台導入!実はいつも農家さんに草刈機を借りていたのですが、少しずつ自分たちの道具で対応できるようになってきました。

5月/種籾(たねもみ)・畦の整備

種を発芽させるのに水につける工程、種籾(たねもみ)を教えてもらいました。水の中に酸素を取り込むため、水面にシャワーがかかっている。水温×日数を積算温度といって積算温度が100℃になるまで行うそう。なので、水温が15℃であれば7日間ほどつけておきます。また、別日にはユンボで土を軽トラの後ろに積み、田んぼの畦の整備に使用。作業終わりには西区から明石まで自転車で帰る強者も!

6月/田んぼの耕運・水路の確認・代掻き

予行練習も兼ねて、小池農園こめハウスさんのお手伝いで別の田んぼの田植えを。後日、我々の田んぼに引かれる水路の確認を行い開栓。さらに平日、三宮で仕事を終えてから夕方に田んぼへ向かい土を砕いて平にならしていく代掻きを行う。自然と街を行き交いながら、田植えに向けて準備を進めます。

6月/田植え

大人も子供も赤ちゃんも、みんな一緒に田植えを行いました。小池農園こめハウスの小池さんから一粒万倍のお話も。お米1つからお茶碗一杯分のご飯ができるそう!ひとつ一つ大事に、田植えを無事終えることができました。

7月/肥料まき

まるでバズーカのような散布機を背負い、肥料を撒く。どんどん稲も株が分かれて育っていきます。

8月・9月/田んぼMTG・草刈り

一番暑い日かもしれない8月に滝汗で草刈りをしながら、農家さんと椅子を出して青空MTG。お米の姿も見えてきました。9月の終わりにはどんどん黄色でたわわに。

10月/稲刈り・乾燥

実ったヒノヒカリを刈り取る一日。側面に残ったものは手刈りをします。収穫したお米はこめハウスに持ち込み乾燥機に通します。その時、石や色の悪いお米も選別されます。右下の写真が省かれたお米や石をトレイに入れたもの。

11月/乾燥後の袋詰め

お米の乾燥が終わり、20kgずつ袋詰めを行いました。玄米で保存し、食べるたびに好きな分付きに精米するのがリベルタ学舎スタイル。2023年は約300kgを収穫しました!

▼お米、実は販売もしています

市場になかなか流通しない精米したてのお米が都市部でも食べられるようになるといいな。
そんな思いから、リベルタ米の販売所では各々が自分の好きな分付きで食べられるように精米機を用意しています。基本的にはセルフでご使用いただけますので、自分の食べたいこだわりの分づき米にしてお持ち帰りいただけます。


【場所】コミューン99
神戸市中央区江戸町100 高砂ビル601号室

【日時】火・水・金 10時~17時まで
コミューン99は、月・木・土・日・祝日は閉まっている
時がありますので事前にメールにてご確認ください。