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▼自由人博覧会とは?

 たとえば、山に登りたいと思ったとする。
(なぜなら、ふと見上げたそこに、山があったから)
とても素敵そうだ。
でもどうやっていいかわからない。

家に帰って、父と母に聞いてみる。
「そんなバカなこと行ってないで、将来に役立つ勉強をしなさい。」

翌朝学校にいって、先生に聞いてみる。
「山の標高を知りたい?気候?学名?え、行き方。その前に、山の知識をじゅうぶんに学びなさい」

いろんな大人に聞く、いろんな言葉が返ってくる。
「どうやって食べていくんだ?山のことなんか忘れた方がいい」
「たまに目指す人はいるけど、帰ってきた人はいないらしいね」
「俺も昔は考えたよ、誰でも一度はかかる熱病みたいなものさ」
「山?ああ、見える時期もあるんだっけね。社会に出たら忙しいから。人の役にたつというのは大変なんだぜ」


違う、山はある。
そして僕はそこに行きたい。なぜだかわからないけど。


ある日、スーツを着た賢そうなひとがやってきてこう言った。
「さすが、坊ちゃんは見込みがある。山のことだね。見える人にしか見えないんだ。連れて行ってあげよう。言う通りにしたらいい。お金がない?お恵みをもらいなさい。クラファンという仕組みがある。君は純粋な心で『行きたい!』と言ってさえいればいい、あとは私に任せなさい」

とってもいい人に出会った!僕はがんばって、いろんなひとに頭を下げて、お金をもらって、彼に渡した。彼はうなずくと、「登山口」というところへ僕を連れて行ってくれた。そこは登山する人のためのグッズや保険を売る、あらゆるお店も揃っていた。ワクワクしながら、必要なものをぜんぶ揃えて、僕は登山口を潜った。


その先に、山はなかった。少なくとも、僕が胸を焦がした、あの山はなかった。

お金もなくなった。信用もなくなった。
町へ帰るとみんなは「ウソつき」と石を投げるだろう。家に帰るとみんなが「ほら、だからやめとけって言ったのに」と憐みの目で見るだろう。僕はこれから誇りもなくして、生きていかなければならない……のだろうか?

町にも帰れず、家にも入れず、どこでもないところでうずくまっていると、おかしなひとが目の前に現れた。

「あの、」なぜ声をかけたかわからない。
「山なんて、ないんですよね」
その人は笑った。
「あ、見えてるのね。行きたいの?行く?私しょっちゅう行ってるから、一緒いこか?あ、ただ、楽じゃないよ。君がつくるのは君だけの道だから。それでも来たかったら、おいで」


僕は足にぐっと力を入れて立ち上がった。楽しそうに先を行く旅人の後姿が見える。そっか、いままで聞く人を間違っていたんだ。山に行きたいなら、山に行ったことがある人に、話をきくしかない。
私たちは、きっと、もっと自由に生きられる。だけど、「諦めずに、道を切り拓きながら生きている人」って、なかなか会うことがない。

だから、探してきました。
ある世界の「常識」から自由に羽ばたき、たくさん誤解されたり批判されたり利用されたりもしながら、諦めずに、より本質を求めて、自分だけの道を切り拓きながら生きている、自由人。

ぜひ、触れてください。山は、ある。焦がれた人には見えている。やっているひとから、秘訣を聞きな。

自由人博覧会ホスト 湯川カナ


 
▼湯川カナが、自由人博覧会に込めた思い

空を飛ぶって、どんなかんじなのだろう。気持ちいい?怖い?どうやって初めて浮いたの?……やったひとに聞くしかない。
自由に生きるって、どんなかんじなのだろう。不安はなかった?いま楽しい? コツは?……やっぱり、やってるひとに聞くしかないよね。

スペイン語の「自由(libertad)」は、「解放された状態」という意味。素敵なひとは、何かから解放されて、すごく空高く翔けているように見える。いったい、何から解放されているのだろう?すごく話を聞いてみたい。だって私が、もっと自由に生きたいから。 ひとそれぞれ、湯川が圧倒的に憧れる博物館級(!?)のひとたちにお話を伺う。せっかくだから、その「生」そのものに、たくさんのひとに接してもらう。 それが「自由人博覧会」です。




■紹介:湯川カナとは

個人の尊厳、幸福の追求、それを支え合う公共の実現…自分がより幸せに生きるために実験を続ける。学びの場「一般社団法人リベルタ学舎」&参加者が仕事として実現する「なりわいカンパニー株式会社」を運営。執筆業と、兵庫県広報官も。ちなみにシングルマザー。

<プロフィール>
1973年、長崎出身。早稲田大学在学中、学生起業に参加。Yahoo! JAPAN創設メンバーに。2年後、数億円分のストックオプション権を返上し、スペインへ移住。10年間フリーライターとして活動。帰国後、神戸に移住。女性や若者の社会参画実現に向けて活動中。

(参考情報)
<本> 『「他力資本主義」宣言ー脱・自己責任と連帯で、これからを生きていく』(徳間書店/内田樹氏との対談つき)/<プレゼンテーション> 『弱みを軸にした、強固なチーム作り』(TEDxKobe)/<インタビュー> 『勝たなくても、幸せになる方法』(NewsPicks)

▶︎2020年度の自由人博覧会(全6回)のレビューはこちら